ある蒸し暑い夏の午後

ときどきポジティブ

夢を見ている

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声の感じがざらざらしてる。牙を向く猫の唸りと似てないこともない。大人の男にふさわしい落ち着いた低音の声音ではある。だがノイズのようなものがしばしば、予感のように閃くのです。ほのめくようにたち現れる。声の上澄み、声の浅瀬に浮かんで見える、感じ取られるそのものは、黒くて、そしてざらざらとしている。説明ならば簡潔に出来るけど、出来たらそれはしたくない。自分の中に潜むもの、外側に宿る真実。これだから聞きたくないと言ったのに、そんな声など無視をして自分を聞けと強いたもの。恐らくおれの魂だけど、おれはこいつに貸しと借りの両方がある。自分の声を聞け。鏡は嘘を吐いたりしない。人の眼が自分に嘘を吐くんだよ。おれの声ならおれよりも周りの人が知っている。彼女のほうが知っている。理解ならされているのだ。それならば、ならば夢など見ている者は、誰かと問うて、みたりはしない。しない? 夢から醒めることを拒んで頭を雲に突き刺したまま、人はそれでも呼吸はします。恋する。

※ 画像はフリー素材です。

詩です(笑)半分は。いや、でも本当に、詩って形式のことではないと思っています。