ある蒸し暑い夏の午後

ときどきポジティブ

一月二十日、木曜日

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けさ、サッポロ一番みそラーメンを食ったのです。まぁ当然のように卵を入れたんですけどね、そこで思ったわけです、卵なしのサッポロ一番みそラーメンをおれはもう食えなくなっているなと。味気ないと感じてしまうと思う。卵一個の値段は二十円くらいか。つまり味覚が二十円分金持ちになっているのです。悲しいなと思いますね。何となく、卵って怖いなとも思いますね。なんでも美味しくしてしまう。おれは十代のある時期に、貧乏した、というより、貧乏生活に自ら挑戦したことがあって、一ヶ月食パンだけを食べて暮らしたことがあるのです。自ら好んでしてたことなので、苦しくはなかった。むしろ愉しかったです。当時の彼女は呆れてましたけどね。おれのことを馬鹿であると考えていたと思う。でも心配してくれて、おれの心を変えるために牛丼を作ってくれたんです。牛丼には卵が乗っていた。ここでもやはり卵が出てくる。結局、卵って優しいということになりますけどね……怖いけど。
なんでも美味しくしてしまう。
おれの食パン生活はそれで終わりました。

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