ある蒸し暑い夏の午後

ときどきポジティブ

最後の世代(習作)

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星が光を取り戻した。正しいことに思えたものだ。それは静かに始まったこと。次の秩序の始まりだとは誰も思わず、ただ誰しもがこう感じてた。夜の長さが変わったらしい、と。人類は時計の針を真に受け過ぎていたのです。未来はすでに今だとは、人はなかなか気づかないもの。記憶のほうが馴染みがあるし、だから無害なものなのです。静かに増える闇の領土と我々は戦わなかった。とわの叫びは沈黙と同じだと知った時、祈りを捧ぐ人はいたけど、血を流す者はなかった。全て正しく順調に灯りが消えただけでした。喜びと似た自暴自棄ならあの頃しばしば見かけたけれど、でもそれは、人は変わらず愚かであった証拠ではあり、ほかの意味はない。全て夢だと見なす姿勢も、やはり愚かなものでした。夢。あの頃多くの人が見た、ひとつの夢を知っています。燃えあがる海辺の家を多くの人が見ています。音もなく淡々と燃え朽ちるもの。ある人はそれを歴史と呼びました。年号と物語のある愚行の記録。この星でつかのま栄えた種族の足跡。破滅のあとに続くのは、次の紀元の歴史でしょうか? 愚行。その人はそう言ったけど、私は努力の記録と思う。星も降らず死者が地上を歩くこともなかった。神の名なんて出したくはない。環境が我々を拒んだのです。闇が光の眼差しに再び力を与えるでしょう。地上は闇となって消え、星々だけが瞬くのです。

※ 画像はフリー素材です。

何となく纏まってるけど、雑です。習作。