ある蒸し暑い夏の午後

ときどきポジティブ

2022-01-01から1年間の記事一覧

(散文詩)夢

外は雨だと信じてたけど、ベランダに出たら曇りで曖昧な色だった。白い濁りをはらんで色褪せている。少し汚れた水晶のように、不純物の向こうに潜む綺麗なものをほのめかしつつ濁っているのだ。雨は降ってはいないけど、雨の予感をはらんではいる。雨をはら…

三月十三日(日曜日)

あれですよ、おれは本質的にはネクラなインドア派な人間ですからね。そんなに「正しい」人間ではない(笑)十代の頃は過剰な自意識を持て余して大変でした。二十代の頃は過敏な感覚を鈍麻させるために酒に溺れていたし。今はまあまあだけど、ネット民が知ら…

無題

自分の足音を聞いたよ。夜明けの街は静かだからね。真面目なほどに淡々としたそんな鼓動と似てはいた。何故だろう? 雫のような哀しみがある。蒼い水面(みなも)を乱す一滴。夜明けの街は少し荒んで見えたけど、哀しみは冷たく澄んで美しいほど蒼いのだ。真…

あれですよ……

おれはもう何もしないすよ(笑)はてなブログにそこまで深入りはしない。記事は書くだろうけど自分の好きに書かせてもらいます。

(散文詩)エールかな 笑

意味深な風である。優しいけれど銀色の雨をはらんだ冷たい風だ。詩を書くのならこの風をつかみ取らなければならない。風のしっぽを捕まえてその実体を記号化するのだ。リアルを前にネットはいまもなお弱い。退屈なのは独創性のないコラージュ、出来だけはい…

今日は……

今日はコンビニでレジ袋を二つ買うはめになりましたよ。一つで済むと思ったんですけどね、何やかや買って二つになりました。そこでいきなり世界の話になりますが(笑)世界には計算通りに運ばないことのほうが多い。おれはよく知ってるんです。明るいものを…

太古のような夜である。信じがたいほど、にわかには信じがたいほど黒いのだ。黒くて、広大。海をはらんだ広さとも認識される印象と膚。静かな闇の膚触り。黙想さえも拒むほど冷え冷えとした無音状態。やわらかいのは膚であり風であるから呼吸は楽だ。「綺麗…

表現者について

あれですね、表現者というのはどういう人種かということを意外と知らない人が多いなと思う。表現者とはどういう人種か。それはすなわち表現せずにいられない人種です。表現したいことがあるから、もしくは表現することに喜びを覚えるから。おれはたまたま書…

薔薇(過去作)

まじめな話、 朝日のように狂った薔薇を あばらの奥で養っている。 悩んだりなどしないのだ。 薔薇はハートの色だけど、 砕け散ったりしないので。 ※ 画像はフリー素材です。過去作ですけどね、いま読んでも悪い出来ではないかもしれない。こんなものを書い…

君へ(過去作)

昔の君を呪うといいよ 今の君など造った奴だ 世界が君を愛さないのは 君が世界のお荷物だから 甘やかしてはくれないだろう 求めたことが間違いなのだ つまらぬ奴が君を指差し 声を潜めて言うだろう ああはなりたくないものだ よくも平気で生きてるものだ 太…

冬の花火

冬の花火を見たかったけど、今年は見れずじまいだったな。バス停のそばのベンチは赤いから心に残る。いつかあそこで恋をしたけど、それは余りにつかのまでくしゃみのような一瞬のショックだった。彼女の髪の色さえ覚えていない。おれは彼女を認め、恋をし、…

ふたり(過去作)

♂ボクはね 雲にはいつもむかついている 空を翔べたら嬉しいけどさ 空の青さの邪魔などしない それをするのは雲と思うね でもボクは雨の日ならば許しているよ 長靴を履けるんだから おかしなことと思うかな? つまり男は難しいのさ ボクという男はね ♀️あなた…

こだま

ビル街には谷間がある。こだまがある。グラスを満たす赤い叫びを聞く者ならば知っている。ここにあるのは置いてきぼりの声、風にちぎれてぼろ布のように破れ去った声である。数秒遅れの現実や、予知夢のような現在、しかしここには未来が足らずいつもくすん…

お騒がせしました

すみません。お騒がせしました。

チョコミン(過去作)

彼はとってもおかしいの 振り返ったら逃げるので まるで知らない猫みたい 眠るわたしの唇に キスしたことは分かってるのに どう思う? それはね 君の後ろの天使だからさ 彼は恋など出来ないわけさ 恋などしたら人間だから 羽根を失くしてしまうから だから君…

愛(過去作)

空にぽつんと雲ひとつ この子の夢は いまは真っ暗 優しい雲を夢に見るには 優しい雲を知っていないと 退屈などはしてないけれど それは聴こえるものがあるから 漂うように鼓膜に届く お母さんの 歌でした 空にぽつんと雲ひとつ あなたのように静かです 際限…

正午(まひる)

おもちゃのようなバスに乗り、 目指した場所は国境でした。 ポケットの中の珊瑚を 忘れるほどに長い旅です。 郵便受けの光る街、 楡(にれ)の木のそばの老人。 蝶の集まる木もあるがそれは恐らく半分夢で。 自分の背中を見失うほど、 長い眠りを眠るのでし…

私事ですが……

私事ですが、グループを全部退会しようと思っています。ブログのさらなる縮小を狙っていこうかなと(笑)こっそりやっていく。最近の記事を見れば分かる通り、おれは不特定多数の読者を想定しては書いていないですから。最近は結構はっきりと一部の人たちに…

まだ続いてんじゃん…

なんかすげーな

ファンタジー(その2)

そこは駐輪場と呼ばれる。店から漏れる歌声の届くところで最も暗い場所。彼は睡眠薬を飲んだ。酒で、歌声の聴こえる場所で凪いだ心を抱き締めながら。外で死ぬと決めていたのだ。彼女を第一発見者としないため、彼女を守るため。それは或いは身勝手な、自分…

げっ

げっ、あの人まだいんじゃん…

三行詩

わたしと同じ後悔を あの人たちも見てました わたしはわたしの紅(くれない)を摘む ※ 画像はフリー素材です。さらに短くしてみたけど、短いから楽というわけではないですからね。それはさ、俳句や川柳を専門的に手掛ける作家がなぜいるのかという、そういう…

お騒がせしました

すみません。お騒がせしました。

なぁ…

なんで普通に喋れないんだろう。なにこのやり取り。ちょっとキモイよね。※ これはタグの場所以外には関係ないです。

ファンタジー(詩)

死んだ女の最後の夢は のどを潤すことでした 夢ならば叶うものです 安らかに死んだのでした 雲ひとつない夜だったけど 涙がひとつ落ちてきたので ※ 画像はフリー素材です。 書くことが難しくなくて、なおかつ玄人から好意的に見てもらえる詩、ってこんな感じ…

まさかという……

猫は言葉を知らないの? それではきっと困るはず ボクが教えてあげましょう 「あ」は青空の「あ」 「い」はいま眠いの「い」 「う」はうつぼの「う」 「え」はエアコンの「え」 「お」は織田信長の「お」 でも猫は知らんぷり 大人のような眼差しをして 毛深…

太陽

あなたは赤い、赤い髪の女を見ている。ドアをノックするのは鳥だ。そして女はドアをあけ、光の中へ迷い込む。白い光の、それはトンネルである。脂肪のようにやわらかな光の筒(つつ)だ。脈拍があり、体温がある。あなたはそれを感じる。女の身体を通してあ…

コロナ……

時短営業、金曜だけど。ここだけの話、以前はやってるとこはやってました。午後八時以降でも、常連客だけを秘かに店に入れて酒類を提供している店というのがあった。でも、最近はそういう店も無くなりましたね。つまらんなぁ(笑)いや、良い傾向ですけどね…

橋の向こうの暗闇を 昨日の夢のように慕った あそこからおれは来て 今はこちらに根づきかけてる 後戻りなら出来るけど こちらに戻る橋はない 闇のまにまに漂いながら 静かに滅ぶ運命もある それも悪くはないだろう 諦めと心中すると決めたなら雫のような一つ…

リナ

紫色の傘ならば 黄色の壁と似合うはず 夜が砂漠と溶け合うように 君が孤独と親しむように 足りないものはあるにはあるが 鉄の硬さと似たものだ 隙のないもの 譲らないもの 靡かないもの 微笑んだりはしないもの しじまが少し柔らかいので 甘えのような調和に…