ある蒸し暑い夏の午後

ときどきポジティブ

何となく……

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前の彼女のことを何となく思い出す。歯並びが悪いのがむしろ色気となっている子でした。十歳も年下で、スマホ依存で、「文字だけの本」が読めない人でした。挿し絵やイラストのある本、つまりラノベや漫画しか読めない人。たぶんだけど、今はこういう人はたくさんいます。おれは思ったものでした。「あ。文字だけじゃなければ読めるのね」って。コスプレが趣味で、でもそれを外でやる度胸はない子でした。意外なことに思えたものです。初めて逢った時、彼女はおれにパンツを見せましたから(笑)当時彼女は母親の営んでいるスナックを手伝っていて、丈の短いドレスを着ていました。おれはというと、その時しゃっくりをしていた。寒い中冷たいものを飲むと、しゃっくりが出ることがあるんです。彼女は何かものを落として拾おうとしたのだと思う。眼の前で前屈みになりました。そうしてピンク色のそれがあらわになった。凝視しました。でも、しゃっくりは止まらなかったと思います。ただ、数秒間凝視した(笑)それが彼女の第一印象となりました。ちなみに、おれはキャバクラはノリが苦手なので仕事関係以外ではまず入らない。小ぢんまりした飲み屋のほうが好きですね、断然。彼女はいわゆるサブカル女子でもありました。四年ほど前のことで、サブカルがまだサブだった時代のことです。アーバンギャルドというバンドのファンで、メジャーでないアニメが好きでした。彼女と過ごした時間はいずれ作品という形にしたいので、ここでは語らないでおくけど、ただ彼女から学んだことが幾つかありますね。彼氏彼女がいるだけでリア充ということになる現代においては、おれのようなネクラでさえリア充枠に入るらしいということとか(笑)そんな気は全然しませんでしたが。学んだことは他にも幾つかあります。最近、フリー画像を検索していて、彼女と似た雰囲気のある女の子を見つけました。地雷系というカテゴリーに入れられていた。まぁそれは、あながち間違いでは……(笑)いや、でも可愛い子でしたよ。

※ 画像はフリー素材です。